気ままに映画鑑賞

最低週一更新で進めていきたいと思います。

熱血犯罪者警官が正義を貫く ソイレント・グリーンを見て

記念すべき第一回目の記事は約45年前に公開された「ソイレント・グリーン」

について書いていきたいと思います。

 

 

作品紹介

ソイレント・グリーン [DVD]

ソイレント・グリーン [DVD]

 

1973年公開

主演はアメリカ出身の役者チャールトン・ヘストン

監督はこちらもアメリカ出身のリチャード・フライジャー氏

 

これに関しては45年も前の作品なので流石にピンときませんね💦

調べたところヘストン氏は「十戒」でモーゼ役をやられてるそうで、

見たことはないのですが有名な映画ですからへぇ~ってなりました笑

今度機会があれば見てみようかなと思います 

 

きっかけ

そもそもなぜ初回に一番好きな映画でも無ければ有名作品の紹介記事でも無いかというと、初めての映画感想は自分が好きなゲームに関係のある作品にしようと思ったからです。

 

ゼノギアス」という作品をご存知でしょうか?

ゼノギアス PS one Books

ゼノギアス PS one Books

 

今は亡きスクウェアから発売された名作RPGです。

ざっくり言うと様々な国や宗教の争いを描いているのですが

この作品の中にソイレントシステムという工場が出てきます

結構なトラウマシーンなのですがそれのモデルになったのがこの映画なのだそうで、

そういうわけで記念すべき第一回はこのチョイスになったわけです。 

 

物語性が濃くて裏設定もかなりしっかりしているJRPG好きにはたまらない作品ですのでぜひオススメします!(私はビリーが好きです)

 

あらすじ(※ネタバレ)


Soylent Green - Trailer

2022年人口増加が進んだアメリカは深刻な食糧難に陥っており、

数少ない食料として政府はソイレント社のソイレントグリーンといった四角いチップのような栄養食を配給していました。

主人公で警官のソーンは、老人のソルと二人暮らしをしていました。

ある日サイモンソンという富豪の家で強盗殺人が起こり、捜査をすることになります。

ソーンはこの事件はただの強盗殺人では無いと感じ、調べを進めると、死んだサイモンソンはソイレント委員会の重役であることが判明し、また暗殺であることにソーンは気づきます。暗殺の理由を突き止めるためにソーンはサイモンソンが死ぬ一か月前に訪れていた教会で何を告白したのか神父に問い詰めます。しかし神父は恐ろしがって告白の内容をソーンに教えてはくれません。

そんな中警察上層部の圧力によってこの件は暴行事件で手を打てと言われてしまいます。あきらめきれないソーンは独断で捜査を続けてしまったため唯一の手掛かりであった神父を何者かに殺されてしまいます。また、ソーン自身も命を狙われてしまいます。

一方ソルはソーンから調べるように頼まれていたソイレント社の書物を調べるうちに一つの事実に気づいてしまいます。その事実に絶望したソルは自ら命を絶つためホーム(安楽死施設)へと向かいます。

家に置かれた書置きでソルが安楽死をしようとしていることを知ったソーンは止めるため急いでソーンの後を追います。 

しかし時すでに遅くソルは薬を飲んでしまっていました。死ぬ間際ソルは死体の搬送先

に向かって「何か」の裏付けをしろと言い残し死んでしまいます。

死体の積まれた車に忍び込んだソーンはある工場に行きつきます。

そこで見た光景は死体が薬品で溶かされ大量のソイレントグリーンとしてベルトコンベアから流れるさまでした。

従業員に見つかったソーンは何とか工場から脱出し、この事実を警察に伝えようとしますが、追っ手に途中で腹を撃たれてしまいます。教会に行きついたソーンはやっとのことで追っ手を返り討ちにしますが、腹部の出血がひどく瀕死状態。

駆け付けた仲間に「ソイレントグリーンの原料は人肉だ。」と叫び運ばれていくのでした。

 

感想

主人公のソーンが人んちのもの盗んだり被害者の部屋に泊まってシャワー浴びたりお姉ちゃんと遊んだり結構な職権乱用っぷりで、事件を解明しようとするアツい部分とのギャップに笑いました。

全体のシナリオとしては面白かったです。

なんですけど、2019年に生きている私からすると自転車こぎで発電したり、ジャムが一瓶4万円だったり、ショベルカーで人ぶっ潰したりと世紀末過ぎて今のハイテクやらネットリテラシーやら敏感な世界とあまりにも真逆で2022年を舞台にした未来感は感じませんでした。

ですがまったく未来感がないわけでは無くて、作中に「家具」(家にもともと備え付けられている娼婦のような人たち)と「本」(学があり知識の豊富な人)という立場の人間が存在していてそういった昔にはない立場の人間が生まれているところや、ソルがホームでスクリーンいっぱいの植物や動物を見て安楽死をする場面で、バックにはオーケストラの壮大な音楽が流れてソルは嬉しそうに、ソーンは見たことない自然になぜか懐かしそうな顔をして映像を見ていて、今の世界に絶望している、現代でいう環境汚染の進んだ未来感があってとても好きでした。

エンディング後のエピソードでは、明言はされてないですが恐らくソーンの思いは報われないんだなという感じが仲間の表情やしぐさで伝わり、人を食べるという犯してはいけない罪を許したくない主人公が結局は社会の大きな流れに負けてしまうちっぽけさ虚しさを感じさせてくれる、これまたこの映画の好きな部分でした。

作中でソルが「神とは、何処に神が」という問いに「ホームに」と答えますがこの映画では人を食べてしまった罪よりも、その道を選ぶほかなかった救いの無さ、もう戻れないところにまで来てしまった世界、人を食べるまでして生きようとした人間が結局「死」に希望を見出す皮肉、これを伝えたかったのではないかと思いました。